ホルモンバランス
ホルモンとは「特定の組織や器官の活動を、きわめて微量で調節する生理的物質の総称」です。
ホルモンの数は確認されているだけでも100種類以上あり、呼吸や消化、循環、代謝、免疫機能など体の調整を行っています。
きわめて微量でもとても強い作用があり、一生のうちで分泌されるホルモン量は、スプーン一杯ほどと言われています。
ですから、ホルモンバランスが乱れると、吹き出物、肌荒れ、生理不順、血行障害、便秘、下痢、不妊など、体にさまざまな不調が現れることになります。
ホルモンバランスが乱れる原因は、ストレス、過労、食生活、睡眠不足、生理、更年期、などさまざまです。
吹き出物に関係するホルモンは以下の3つです。
・男性ホルモン(テストステロン)
男性ホルモンは男性だけのものではなく、女性も男性の20分の1程度の量が、副腎という腎臓の上にある内分泌器官から分泌されています。
男性ホルモンは、闘争のホルモンです。
外敵に立ち向かい、体を守るために、バリア機能である皮膚の角質を硬く、厚くします。
細菌などの進入をふせぐ皮脂膜をつくるために、皮脂を過剰に分泌します。
これが吹き出物を発生させる原因となってしまいます。
ちなみに、思春期にニキビが発生するのは、性ホルモンのバランスが急激に変化し、テストステロンが活発に働くためです。
・卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)
女性の卵巣からは、卵胞ホルモンと、男性ホルモンと同じような働きをする黄体ホルモンと呼ばれる2種類の女性ホルモンが分泌されています。
その分泌バランスは、一定周期で変化することにより、排卵や生理がおこっています。
卵胞ホルモンは、女性らしさ、美しさ、若々しさをサポートするホルモンです。
皮膚の水分量やコラーゲンをふやし、肌をふっくらやわらかくしたり、新陳代謝を活発にして、肌を健康に保ちます。
また体は、脂肪をたくわえ女性らしい体にします。
黄体ホルモンは、女性を妊娠しやすい状態、または、出産まで赤ちゃんの育ちやすい状態をつくるため、身体に作用します。
具体的には、体温を高く保ち、身体に水分をたくわえ、食欲を増進したり、睡眠をたくさんとるようにしたりします。
ただし黄体ホルモンの副作用として、皮脂分泌が過剰になる、新陳代謝が悪くなる、などがあります。
ですから黄体ホルモンが優勢になった時期に、吹き出物はできやすくなります。
黄体ホルモンの分泌量が多くなるのが、排卵から生理が始まるまでの間です。
この時期は皮脂の分泌が高まり、吹き出物ができやすいということになります。
しかし生理が始まれば、黄体ホルモンの状態も落ち着いて、吹き出物も落ち着いてきます。